「カートに乗りたい!」
SNSで知り合った仲間たちとのツーリング。GWを利用して遠く青森から遠征して来たtunaさんからのリクエストは、全く予想もしていなかったものでした。
普通にマスツーとか、デイキャンとかを思い浮かべていたものだから。
カートか。そういえば乗ったことなかったな。
20代の頃。住んでいた家の近くにスリックカートのコースがあったんです。
仲の良い友達がハマっているのを耳にしてはいたものの、そこに参加したことはありませんでした。
そもそもその友人がランエボを乗り継いでダートトラックにのめり込んでいたようなヤツだったので、彼と一緒に行くのがハードルが高い気がしていたためかもしれません。
「何にでもチャレンジしたい老人」である私。
初めての体験を目の前にして心を躍らせないはずがありません。もちろん二つ返事でお受けします。
八街のライダース神社(八街神社)で待ち合わせして、目的地まで小一時間のマスツーリング。
そして茂原ツインサーキットでレンタルカートを堪能するという魅惑のプランです。
当日の参加者。
主催はFTRのtunaさん。
W650で参加かと思いきや、久々のジェントルマン200で登場のにくどろさん。
そして私、GN風来爺の3人。
一緒に田上明さんのお店・ステーキ居酒屋チャンプに赴いた、プロレス好きのメンバーです。
10時過ぎに待ち合わせ場所へ。
到着まであと少し、というところでいきなり変な渋滞にハマりました。
Googleマップに赤い線はないものの、ピタリと止まって動きません。
すると、それを察したのか突然迂回ルートを指示されました。
「早く言ってよ、もう」
そう思いながら右折。
入った小径は完全な農道でした。
舗装もされていないデコボコ道。
車体の軽いGNだからなんてことはないけれど、ガチのオンロードバイクだったらちょっと怯むレベルです。
前を走る車も同じようにナビ頼りに来たのでしょう。
思わぬ悪路に悪戦苦闘しているご様子です。
ってかむしろ、そこまで徐行するなら先に行かせてほしい・・・。
と思ったものの、悪路の走行を強いられたのはほんのわずか。
本来の県道に合流し、予定時刻ぴったりに到着です。
tunaさんも到着したところのよう。
にくどろさんもほどなく合流です。
ここからサーキットまで、インカムを繋いでおしゃべりしながらのマスツーリングです。
と思いきや。
tunaさん、神社にデイパックを忘れてきた模様。
すぐに気が付いて見つかったので何の問題もナシなんですが、本人はちょっと凹んでいるみたい。
忘れたこと自体に、です。
「いやいや、見つかったんなら問題ないでしょ。私なんかバッグ忘れたり財布忘れたりなんか日常茶飯事ですよ」
そう言ってみたものの、一般的にはそんなにしょっちゅう忘れ物をしたり落とし物をしたりはしないようですね。
私は本当に頻繁にやらかすクチなので、「やらかした」という事実に対するマイナスの感情が麻痺しているようです。
「結果オーライなら無問題」としか考えていません。
そうだよな。
そもそも忘れたり失くしたりしちゃいけないんだ。
気をつけよう。
閑話休題。
到着! 茂原ツインサーキットです。
カートや小排気量二輪向けの小さいコースと、四輪向けの大きなコース。
実は私、サーキットに来たの自体が初めてで、めちゃめちゃ興奮しています。
まずはカートですね。カート。
受付を済ませて、説明を受けます。
要約すると、「タイムは勝手に測るから、好きなだけアクセル踏め」ということらしいです。
親切ですね。
ヘルメット、グローブと、全てバイク装備のままバケットシートにズボッと腰を埋めてエンジンを掛けます。
何ccだろう?
それほど大きくない排気量のはずなのに、エンジンから伝わる振動はかなりなもの。そして雰囲気のある排気音。
スタートです。私が一番手。
そろそろとアクセルも踏み、チンタラ走り出します。そのまま加速して、コースイン。
何キロのスピードが出ているかも分からないけれど、なんせ視点が低いので物凄いスピード感。
とりあえず一周、慣熟走行という感じで走ってみます。
アクセルを踏んで加速して、コーナー手前でブレーキ!
と思ったら、いとも簡単にスピンしました。
ブレーキを踏むと全ての荷重が前輪に乗って、後輪はほとんどグリップしないんですね。
図らずもタックイン状態。
なにこれ超怖い・・・。
幸い後ろの二人に追い抜かれるという悲劇は免れました。ソロソロと切り返して、コースに復帰。
少しずつスピードにも慣れて来て、コーナーの感覚も掴んできて、面白くなってきました。
コーナー手前でチョンとブレーキを踏んで、向きを変えたらアクセルを踏みつつひたすらGに耐える。
なにこれ超絶おもろい。
気持ちよくコーナーを駆け抜けホームストレートで加速していたら、後ろから猛スピードでブチ抜かれました。
こっちも結構頑張って踏んでいるにも関わらず、それを無視した相対速度。
鬼神と化したtunaさんでした。
私とは比較にならない高速で第1コーナーに突っ込んでいくtunaさん。
着いて行こうという気もサラサラ起きない速さです。
「ああ、たぶんあの人は遠い世界に旅立っちゃった人なんだ。惑わされてはいけない・・・」
そう思って走っていると、今度はにくどろさんにブチ抜かれました。
あれ? にくどろさんも初めてのはずなのに。
そうです。
気付いてしまいました。
たぶん私が遅いんです。
それも、極端に・・・。
10分間の真剣勝負。
たかが10分と思うなかれ。
すでに全身汗だく。
最後の方はステアリングを握る握力すらもなくなってきました。
お腹いっぱいです。
表彰台で記念撮影。
久々に大汗かくほど熱中しましたよ。
こりゃ楽しい!!
ちょっと距離があるから頻繁には来られないけど、ぜひまたやってみたいです。
ちなみに私とtunaさんは、10秒以上のタイム差がありましたとさ。
というブログを今、焚き火を愛でながら記しています。
3人で遊んだのはGWの最中のこと。もう半月以上も前の話です。
寝かせて寝かせて・・・、いう訳ではないんだけれど、楽しかった記憶であればあるほど文字にするハードルが高くなる気がします。
であるならば・・・。
ほろ酔いのおぼつかない頭で、しかも記憶も少し曖昧になってきたくらいで書き起こす方がいいのかもしれない。
おまけにそれは、もう一度その時の楽しみを一から味わえて、ちょっと得した気分です。