ただいま18時30分。
今日も一日のほとんどを、連絡待ちで潰してしまった。
会社に属さず自営で単発の仕事を請け負うという生活を選んだのは自分なんだから、これに対して文句を言うのは筋違い。
なんですが・・・。
我が相棒・GN125-2Fさえ手元にあれば、こんなストレスを感じなくて済んだのに、というお話です。
走行距離が40,000キロを超えた我が相棒。
比較的耐用年数の長い消耗品も交換の必要に迫られたこと、そしてステアリングに違和感が生じたことから、ちょっと大掛かりなメンテナンスで入院の運びとなりました。
当初は1週間程度をメドに先行して手に入った部品を交換し、残る部品が納品されたら2回目の作業。
そんなスケジュールを提示され、バイク屋さんに預けたのが先月の半ば。
しかし、整備士さんが想定していた部品だけではステムベアリングのオーバーホールを完了させることができないという衝撃の事実が発覚し、そのままズルズルと半月以上の時間が経ってしまいました。
話をしていても要領を得ないというか、今一つピントがズレている感が否めない整備士さん。
足りないという部品が調達できるかどうかすら、明確な答えが出ないまま時間だけが過ぎていく状況です。
「GNに触ったことがないのなら、経験のある方に聞いてみてください」
なんせGNを買ったのは、そこそこ大手のチェーン店。整備士さん本人が触ったことが無かろうとも、知識と経験を有する先輩がいくらでもいるでしょうに。
そう言って折り返しの電話を待っても梨の礫。
痺れを切らしてこちらから掛けても「足りないパーツの部品番号が分かりました」という的外れな回答が返ってきます。
「こりゃ、このまま預けてても直らないぞ?」
自力で部品を調達しなければ、バラしっぱなしのまま放置されそうな予感しかしません。
仕方ない。アレに手を出すしかないか。
アレというのはそう、中国の巨大インターネットショッピングモール「淘宝(タオバオ)」のこと。
中華原付を愛してやまない御仁達の間では、当たり前のように使われている部品調達ツールです。
しかし、これまで手を出さなかったのには訳があります。
精度に関しては期待してはならない。
穴がズレている程度は当たり前。
穴を開ける、削る・曲げるで調整する、そしてたまには力技で強引に・・・。
そんな恐ろしい話を、散々っぱら耳にしていたから。
淘宝を使いこなすには「中華クオリティに対する強度の耐性」が必要とされるのです。
とはいえ今回ばかりは、背に腹は代えられません。
他に部品を手に入れる方法がないのであれば、淘宝を使うしかない。
たとえ全く中国語が理解できなかったとしても。
淘宝アプリをインストールして、「淘宝 使い方」などで検索して情報収集。
あとは勘と度胸でオーダーを進めます。
10日も待たず、待望の部品が手元に届きました。
案外早かったな。
必要だったのは丸いパーツ。
ステムベアリングのロアアウターの、さらに外側に被せるアウターレース。
日本円では100円もしないこの部品一つに、その何十倍もの送料を払うというのは甚だナンセンス。
ついでに気になっていたパーツの予備を購入しておくことにしたんです。
テールランプのレンズとシートの表皮。
これら全てを合わせても、3,000円程度の出費で収まりました。
淘宝、恐るべし。
バイク屋さんに部品を届けて、メンテナンスの完了を待つ。
これが今現在の状況です。
当初の1週間という言葉が正しければ、そろそろ完了の一報が入ってもおかしくないはず。
「まだですかー?」という電話を掛けたい衝動を、何とか我慢しているのが実情です。
ああ。
GN一台無いだけで、かくも日々の生活が物足りなくなるものか。
GNがあるのが当たり前だった1カ月前ならば、返信待ちになった時点で迷わずウバッグ背負って出掛けていたことでしょう。
「ウダウダとスマホをいじりつつ返信を待ち、一日が終わってしまった事を嘆く」などということもなく。
そろそろ汗だくで帰宅して、気持ちよくシャワーを浴びてビールを煽っている時間かもしれません。
数日前の仕事もそうでした。
都内で数軒の個人宅を訪問する。
訪問先はマンションであったり一戸建てであったりするものの、共通してやらなければならない面倒な作業が「駐車場探し」です。
これが茨城辺りであれば、車一台程度の駐車スペースに気を使うことはないでしょう。
しかし、そこは都内。
気軽に路駐、というわけにはいきません。
普段の仕事は雨でなければたいていGNで事足りてしまうので、車で仕事をするという面倒さ加減を嫌というほど再認識させられました。
駐車場探しに右往左往することもなく、役所に行っても駐車場待ちの車列をスルスル抜けてバイク置き場にササッと駐める。
手続きを終えて帰路に着く頃にも、車だったら駐車待ちの真っ最中かもしれません。
気付いてみれば、原付二種という相棒に、これほどまでに頼りっきりになっていたようです。
原付二種依存症といっても過言ではないくらい。
バイクで走ることで得られる爽快感とか、仕事の道中が少し楽しいものになるとか、そういう気持ちの上でのメリットに、ともすれば目がいきがちではあるでしょう。
でも実際には、時間や労力といった現実的なプロフィットが、自分の認識以上に大きかったみたいです。
そうか。
私は知らないうちに原付二種依存症を患っていたんだ。
そしてこれは、おそらくそうそう治らないんだ。
楽しいじゃないか。
それを知った、この数週間。
我が相棒・GN125-2Fが少しでも早く復活することを、心から願って上げるエントリーです。