「俺のNC750Xと一緒に走らない?」
こんなLINEが届いたのは、いつだかの夏の盛りの頃でした。
たまたまその日は休日で、友達の1人と日の高いうちからビールを浴びていたタイミング。
すでにほろ酔い。いい気分のまま「オレの原2だから、高速乗れないからな!(笑)」と返します。
NC750Xか。いい趣味してんなぁ。
LINEの主は高校時代の同級生。
3年間を同じクラスで過ごしたとはいえ、それほど仲が良い友人という訳でもありませんでした。
目立つ存在だった彼はクラスの中心人物。
一方の私は落ちこぼれ気味だった上に部活一辺倒で、それほどクラスの活動にも参加していないクチでした。そういうケースでは、ともすれば「クラスの端っこの方にいるヤツら」が集まりがちです。
かくいう私もその通り。高校を卒業してからも付き合いが深い仲間といえば、「端っこ」という立ち位置のヤツらばかりです。考えてみたら彼とは、2人で飲みに行った事すらありません。
というか・・・。
彼がバイクに乗り始めた事も知りませんでした。
長いブランクを経てリターンした私の話は、いつだかの同窓会でしたような気がします。
それを覚えていてくれたんでしょう。
「こっちから千葉に行くよ。ツーリングスポットいっぱいあるじゃん」
もう1人、最近リターンした同級生も誘っての房総半島ツーリング。
にわかとは言え千葉県民としては、そんな言葉を聞いて嬉しくないはずがありません。
二つ返事で即答したものの、スケジュールが合わなかったり天気に恵まれなかったりの繰り返しで、実現したのは数カ月後。紅葉の盛りの時期でした。
久々に会った高校時代の同級生3人組。
同窓会で顔を合わせることはあるものの、シンプルに一緒に遊ぶのは初めてのことでした。
千葉ファルニアに集合して、燈籠坂大師の切通し、もみじロード、養老渓谷、高滝湖の鳥居と定番のコースを走るツーリング。
神奈川の民たちも満足してくれたようでした。
それからは数カ月に1度のペースでツーリングを開催するようになり、さらにはメンバーも1人増え、「銀輪会」などという大層な名前まで付きました。
去年の定例ツーリングは、3回。
「秩父・三峯神社とバイク弁当の旅」
「袋田の滝と月待の滝、茨城北部満喫の旅」
「野比ジハングンと故郷を訪ねる旅」
関東北部のルートでは気付けば300キロオーバーが当たり前になり、最後は我らが故郷を訪ねる記念すべき旅となりました。
今ではこのツーリングが、私にとって「ものすご楽しみなイベントの1つ」になっています。
同窓会のLINEグループには今年も1人、新たに「二輪の免許を取った」との近況報告が舞い込んできました。
今年はさらに、勢力を拡大してマスツーリングを楽しむことができそうです。