待ちに待ったイベント。
GNミーティング『集えっ!』
小排気量車、とりわけ中華原付の華「GN125」をこよなく愛する者たちによるツーリングイベントです。
炎天下、125cc単気筒で300キロの下道を走破した4台。
無事の帰還と、第1回「集えっ!」の成功を祝して缶コーヒーで乾杯し、心地よい疲労と充実感を抱きつつ、それぞれの家路に着きました。
ここから自宅までは30キロ弱。
「家に帰るまでがツーリング」です。
そう、家に帰るまでが・・・。
そしてその帰り道には魔物が潜んでいました。
前回までのお話はこちら↓↓↓
帰路は今朝来た道をそのまま戻るコース。グーグルマップのナビも同じルートを示しています。
あと一息。
同方向に帰る釈迦さんと連れ立って、埼玉県の春日部市から松伏町を抜け、江戸川右岸を下流に向かって走ります。
何度か通ったことのある道ですが、夜間の走行は初めて。実際に走ってみると、灯りがなく真っ暗な道路でした。
暗闇の中でいきなり出現するクランクや、極端な幅員減少スポットに注意しつつ、慎重に進みます。
幸い、時間のせいか対向車も少なめ。
ハイビームを積極的に使い、ナビ上でクランクやカーブの位置を確認しながら走ります。
通勤の際は毎日のように夜でも走ってますが、慣れていない道だと緊張しますね。
おまけにここまでの暗い道はなかなか無い。
恐怖すら覚えます。
が、それでもまだ慎重さが足りなかったようです。
一直線の道なのにカーブと錯覚し、進路を右に変えた瞬間、向かった先は民家の敷地でした。
境界にはチェーンが張られています。
暗闇に白く浮かび上がるチェーンに目を奪われ、ハッとしてブレーキを掛ける。
一瞬の出来事です。
砂利の浮いた道路脇。
当然のことながら前後輪が一気に滑り、そのまま投げ出されました。
「うわぁぁ、やっちまったよ超久しぶりに」
なぜだかそんな呑気な事を考えながら・・・。
リターンして、初めての転倒。
教習所では散々コケましたが、公道でコケるのは10数年ぶりです。
もちろん動揺はしましたが、それでも思いのほか落ち着いているようです。
なんせ若かりし頃は何度も転びましたからね。
こういうのは「昔取った杵柄」・・・とは言わないか。
バイクを起こし、身体を確認。
左肩と右のふくらはぎを打ったようですが、ほとんど痛みはありません。
打ち身に関しては、少し時間が経ってから痛みが出てくる可能性も否めませんが、こちらもこれまでの経験から「それほど心配しなくていいだろう」と考えて問題はなさそうです。
ただ、なんせ暗闇の中。
バイクの損傷の確認ができません。
ハッキリと分かるのはエンジンガード。
根元から歪んでいます。
こいつが全てのダメージを一身に受けてくれたんでしょうか。
暗い中ながらも、車体を前から見て、後ろから見て、一見して分かるような車軸の歪みはありません。
エンジンも掛かる。
これなら自走して帰れそうです。
「落ち着くまで少し休んだ方がいいよ」と声を掛けてくれる釈迦さん。
むしろ驚いたのは私より彼の方でしょう。
突如、一本道を外れて民家に向かってハンドルを切り、そのまま派手に転倒する先行のバイク。
その一部始終を、すぐ後ろから強制的に見せつけられたわけですからね。
転倒、嫌なもんです。
それでも唯一の救いは1人の時じゃなかったこと。
仲間がいると、動揺も最小限に抑えられます。
気を取り直して家路に着きましょう。
途中のコンビニで最後の休憩を挟み、明るい場所でダメージを確認します。
やはりエンジンガードは思いっきりひん曲がっています。
ヘッドライトとメーター、リアのトップケースに大きな傷。右のステップも曲がっています。
結構あちこち逝ってますね。
走るのに支障がなかったのはむしろラッキーでした。
あ、そうそう。
前日にiPhoneを新しいのに替えようと思ったけど、混んでたんで止めたんですよ。
これも不幸中の幸い。
危うく被害が拡大するところでした。
コンビニで釈迦さんとお別れして、帰宅。
300キロ。
たかが300キロ。
されど300キロ。
GN、大冒険でした。
傷だらけにしちゃってゴメン。
めちゃめちゃ楽しかったツーリングですが、やはり転倒のショックは隠しきれなかったようです。
妻から「そろそろ慣れてきて、調子に乗って転ぶ頃だったんだから、1人ゴケで怪我がなかったんなら万々歳」と、軽くたしなめられました。
ホントに私のこと、よくご存知の方ですよ。
最後にもう一つだけ、記しておきます。
それは、プロテクターのこと。
派手にすっ転んだ割に、身体は無傷と言っていい状態でした。
次の日も、左肩もふくらはぎも大して痛みが増すこともなかったし、服の上からでは気付かない態度の擦り傷すらありませんでした。
砂利の浮いたアスファルトに投げ出されたにも関わらず、です。
昔のように雑な格好で走っていたら、おそらく自分自身もあちこち傷だらけになっていたことでしょう。
そう。かつてバイクに乗っていた頃は、プロテクターを付けることがカッコ悪いと思っていたんです。
しっかりとプロテクターを装着したジャケット、パンツを着ていたからこそ、今こうやってブログを記すことができています。
プロテクター、ホントに大事。
ちょっとそこまで・・・だったとしても、装備だけはしっかりして乗ろう。
改めてそう思った爺でありました。