風来爺のリターン日記

年間休日数55日の地味に苛酷気味なサラリーマンが、バイクにキャンプに釣りにとリターンするブログです。Twitter @furaijie Instagram @furaijie

さすらいcafeと、鴨川大山千枚田と【前編】

f:id:scrap1275:20200614130754j:image

世界中を襲ったコロナウイルスの脅威は、我々のこれまでの生活様式や価値観までも一変させるほどの大きな影響をもたらしました。

今まで50年近く生きてきて、こんなに長い期間にわたって商業施設がクローズしたような記憶はもちろんありません。

ご自身や身近な方が罹患した、なんて方は言わずもがなですが、ご自身でご商売をされている方にとっても大きな影響があったと思います。

 

かく言う私は会社勤め。

一時は多少の時短勤務になったものの、リモートワークができるような職種でもなく、ほぼ通常通りに出勤する毎日です。

しかしながら売上はガタ落ち。

近隣の店舗が早々に撤退するのも目の当たりにして、ウイルスそのものの脅威よりも経済的なダメージの方がむしろ身近に感じられました。

そして追い討ちをかけるような知らせ。

お気に入りのお店の閉店でした。

 

このブログでも幾度となく取り上げさせてもらった、さすらいcafe

届いた知らせは、この旗艦店舗・さすらいcafe市原平蔵店が店を閉めるというものでした。

 

www.furaijie.com

 

職場の周辺では店舗の休業・撤退が相次いでいたとはいえ、そこは顔の見えないチェーン店。働いている方々とは多少の面識がありますが、程度はたかが知れています。

実際にそのお店を運営しているマスターの顔が思い浮かぶさすらいcafeでは、衝撃の度合いがケタ違いです。

 

居心地の良い空間のお店と、マスターが手作業で開拓していたキャンプサイト。そして里山。

想いを馳せると、居ても立ってもいられなくなってしまいます。

「どうなってしまうんだろう?」

 

そんなヤキモキした気持ちを抱えてしばらく。

緊急事態宣言の解除とともに、ちょっとポジティブなニュースが届きました。

さすらいcafe大多喜店営業再開です。

 

自宅からたかだか80キロ余り。

県境を跨ぐこともない。

これならば、ちょっとしたツーリングを楽しんでも許されるだろう。

新しく取り付けたドライブレコーダーのテストも兼ねて、ひとっ走りしてみることにしましょうか。

 

2連休の、2日目。

体調も万全、バイクのメンテも万全です。

いつもの通りトーストとコーヒーで軽い朝食を済ませて走り出す。

装備はいつものデグナーのソフトシェルとコミネのライディングパンツ。下に着るTシャツは前回買ったさすらいTシャツにしたかったけど、昨日着ちゃったから乾いてないや。

 

朝9時過ぎに家を出て、船橋・千葉と、街中をダラダラ走るちょっと我慢のライディング。これを抜けたらご機嫌なワインディングが待っています。

 

が、暑い!

暑すぎる!!!

今日はメッシュジャケットの出番だったか。

失敗した。

 

まだ6月になったばかりだというのに、感じる気温は完全に真夏のそれ。

あ、そうそう。

今シーズンはメッシュのパンツも買っておこう。

なんせ最近、日本の夏は亜熱帯ですからね。

 

千葉の市街地を抜けたら、国道357号とはおさらば。

やっと気持ちの良いツーリングコースです。

うぐいすラインを南下して養老渓谷を目指すいつものルートとちょっとだけ迷ったけれど、市原茂原線を経由してまっすぐ目的地を目指します。

早くさすらいcafeに行きたいし、お腹も空いたし。

 

汗だくになりながらも気持ちよくワインディングを駆け抜けて、お昼過ぎ。

いい塩梅の時間に到着です。

f:id:scrap1275:20200614094432j:image

お久しぶりのさすらいcafe!

マスターもお元気そう。

市原平蔵店とは違った趣の可愛らしい店舗。

ここ大多喜店は、地元の方々に愛されている洋食屋さんです。

 

なるかポークの生姜焼きをオーダー。

「ご飯を大盛りにしてください」って頼んだら、見事なテンコ盛りで持ってきてくれました。

f:id:scrap1275:20200614104008j:image

うーん。おいしい。

汗をかいたカラダに、生姜焼きの甘辛いタレが沁み渡ります。

 

一息ついて、コーヒーを飲みながらマスターとしばし談笑。

やはり市原平蔵店の撤退には、かなりの葛藤があったようです。

 

「ドライブがてら、遠方から来てくれるお客さんも増えてきたんですが・・・」

首都圏に括られる千葉県ですが、東京から少し離れてしまえば街の様相は一変します。

言っちゃなんだが、やはりそこは田舎

高齢者の割合も高いことでしょう。

 

もともと市原・大多喜の土地に魅せられて、移住してお店を開いちゃったマスター。

この街を盛り上げたい。

この土地の魅力を伝えたい。

でも今はそれが、地元の方にとってはかえって重荷になるかもしれない。

都会のナンバーをぶら下げた車やバイクが続々と集まって来たら、地元の方々の不安を煽ることになりかねない」

そんな思いから、撤退することを決めたんだそう。

 

それを決めたのは、まさに自粛期間の真っ只中。

緊急事態宣言が解除されたとしても、新型コロナとの戦いは長いものになるだろう。

であるならば、持てる資源をより地元に密着した店舗に振り分けた方がいい。

そういう経営判断でした。

 

市原平蔵店の閉店は本当に残念だったけれど、スタートの店舗だった大多喜店は元気だし、2軒隣には近々お蕎麦屋さんをオープンするとのこと。

6月中には開店するつもりだから、またぜひ来てください」

そんな嬉しい言葉も聞けたし、立派な看板犬となるべく訓練中のこはるにも会えた。

本当に来て良かった。

 

「近いうちにまた来ます!」

そんな約束を交わして、店を後に。

 

これから先、「そこにコロナがある生活」がどんなものになるかは分からないけれど、少しずつその生活に合わせてバイクもキャンプも楽しんでいきたいな。